白内障

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白内障とは

白内障とは白内障は、目の中の水晶体という組織が白く濁ってくる病気です。
水晶体は直径1cmにも満たない大きさながら、目の中ではカメラにおけるレンズに相当する大切な役割を担っていて、眼球の前面近くに位置しています。この水晶体が何らかの原因で濁ることによって、視界がかすんで見えにくくなったり、視力が低下するといった症状が現れます。
通常、外から入ってきた光はレンズ役の水晶体を通り抜けて、眼底(眼球の奥)にあるフィルム役の網膜へと映し出されます。しかし水晶体が濁っていると、その濁りで光の一部が遮られたり、乱反射するなどして、光が水晶体を正常に通り抜けることができなくなります。それにより網膜まで届く光の量が減って、白内障による症状が生じるのです。

白内障の症状

白内障の症状白内障は水晶体の濁りが進行するにつれて視力も低下していく病気ですが、その濁り方によって以下のような特徴的症状が現れることがあります。

  • 物がぼやけて見える
  • 物が二重三重に見える
  • 視界がかすんでいる
  • 視界が薄暗く感じる
  • 日差しや照明をまぶしく感じる
  • いくら調整してもメガネで視力が上がらない

白内障の原因

水晶体は主に水分とタンパク質で作られていて、その外側を前嚢と後嚢からなる水晶体嚢(すいしょうたいのう)と呼ばれる袋で覆われています。白内障では、このうちのタンパク質がさまざまなストレスによって本来よりも大きな塊に変性することで、水晶体に濁りが発生します。
この濁りを発生させる原因によって、白内障は主に以下のように分類されています。

加齢性白内障
(老人性白内障)

加齢が原因となって発症するもので、白内障の中でも7割以上を占める最も患者数の多い種類です。
基本的に水晶体の濁りは加齢とともに誰にでも起きる一種の老化現象といわれていますが、程度には個人差があり、早ければ40代から症状を感じ始める人もいれば、高齢になってもほとんど症状を感じない人もいます。

先天性白内障

生まれつき水晶体に濁りがある新生児や乳幼児が発症する白内障です。特に妊娠初期の女性が風疹に感染することで起きるケースが知られています。成長とともに進行して青年期までに発症することもあり、その場合は発達性白内障とも呼ばれます。

他の病気に併発する白内障

ぶどう膜炎、緑内障、網膜剥離といった他の目の病気や、糖尿病、アトピー性皮膚炎といった全身性の病気に合併して白内障が発症する場合があります。特にアトピー性皮膚炎に併発する白内障は、若い世代にも多く見られることが知られています。

その他の白内障

目に外傷を負ったり、過度の放射線を浴びたり、ステロイド薬を使用することなどによっても白内障が発症する場合があります。

白内障の治療

白内障の治療白内障の治療方法には薬物療法と手術療法の2種類があります。
まだ自覚症状がなく、日常生活に支障を感じる場面もほとんどない段階であれば、点眼薬の処方を中心とする薬物療法が行われます。ただし、薬物療法は白内障の進行を遅らせることはできても水晶体の濁りを消し去ることはできないので、いずれ完治させるためには手術が必要になります。そこで、薬物療法を続けながら定期的に進行の程度を確認し、やがて視力低下をはじめとする自覚症状が日常生活に支障を与えるようになったら、その時点で手術を検討するのが一般的です。
例えば、老眼鏡を使っても新聞の判読が難しくなったとか、メガネを使っても視力が矯正されず運転免許が更新できないとか、夜間の運転中に対向車のライトをやけにまぶしく感じるといったように、ご自分のしたいことやしなければならないことがしづらくなった時こそ、手術を受けるべきタイミングといえるでしょう。
ただし、他の病気を併発している場合など特別な事情をお持ちのケースでは、医師の判断によって通常よりも手術のタイミングを早めたり、遅らせる場合もあります。
白内障は放置すれば必ず進行する病気です。生活の質(QOL)を維持するためには、きちんと眼科を受診して、その時々に応じた適正な治療を受けることが大切です。

白内障の日帰り手術

白内障の日帰り手術当院では白内障の手術を日帰りにて行っております。手術の当日にご来院いただき、その日のうちにご帰宅いただける他、手術そのものも点眼麻酔によってほとんど痛みを感じることなく、通常10分程度で終了します。なお、その後の日常生活においては入浴などに一定の制限が設けられたり、感染症予防などのために1~3ヶ月程度薬の点眼を続けていただく必要があります。
白内障の手術は主に「超音波水晶体乳化吸引術」と「眼内レンズ挿入術」という2つの術式によって、濁った水晶体を人工の眼内レンズに置き換えるという方法で行われます。この術式での手術は眼科で扱う病気の中で最も進化した手術といわれるほど確立されており、日本だけでも年間約150万人もの方が受けています。
ただし、眼球という極めてデリケート部位に施す手術に対してご不安を抱かれる方も少なくありません。当院では事前に入念な説明を行わせていただいてはおりますが、もし手術に対してご心配やご不安に思われることなどありましたら、いつでも遠慮なくご相談ください。

眼内レンズについて

日帰り手術の流れ

白内障の手術当日は、一例として以下のようなスケジュールで進みます。

Step1ご来院

事前にお伝えした日時にご来院いただき、手術の手続き等をしていただきます。その際、ご不明の点などありましたら、お気軽にお尋ねください。
なお、この日のうちにご帰宅となりますので、お車を運転されてのご来院はお避けいただきますようお願いいたします。

Step2手術前の準備

手術に向けて麻酔薬や抗生物質、瞳孔を開く散瞳薬などを点眼します。
また、血圧の測定などいくつかの検査を行って、この日の全身状態を確認させていただきます。その際、体調不良の方は遠慮なくお申し出ください。
体調に問題がなければ、手術室へと移動します。

Step3手術の開始

手術を開始します。手術は通常10分程度で終了し、その間痛みを感じることはほとんどありません。
手術そのものの手順は以下の通りです。

  1. 黒目(角膜)と白目(結膜)の境目付近を小さく切開します。
  2. 切開した部分から水晶体嚢の前嚢を円形に切除して、水晶体を露出させます。
  3. 露出した水晶体を超音波で破砕した後、吸引して除去し、水晶体嚢の後嚢だけを残します。
  4. 後嚢の上に人工の眼内レンズを挿入して、手術が終了します。

Step4手術後の休憩

手術後、しばらくは回復室にて安静な状態で休んでいただきます。また、手術後のご注意や受診のスケジュール等をご説明しますので、ご不明な点などありましたら、お気軽にお尋ねください。
ご帰宅
安静に過ごした後、体調に問題がなければご帰宅いただけます。その際、体調不良の方は遠慮なくお申し出ください。なお、眼帯は翌日の受診時まで外さないようお願いいたします。

後発白内障

白内障は手術で完治し、再発することもありませんが、手術の数ヶ月~数年後に白内障が再発したかのように視界が白くかすんで見えにくくなることがあります。これは、白内障手術で眼内レンズの土台として残した水晶体嚢の後嚢が白く濁ることで発生する後発白内障と呼ばれる症状で、厳密には白内障ではありません。
後発白内障の治療は、光の通り道を確保するためにレーザー光線を照射して後嚢に穴を開けるだけで完了します。点眼麻酔によって痛みを感じることはほとんどなく、数分程度で終了する上、通常はすぐに視力が元の状態へと回復します。
なお、こうした治療が必要になるほどの後発白内障にかかる割合は、白内障手術から5年経過後で全体の10~15%程度といわれています。比較的簡単に治るので過度の心配は不要ですが、白内障の手術後に見え方の異常を感じた際にはすみやかに眼科を受診してください。

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