小西眼科医院

町田市の眼科,小児眼科,コンタクト処方 小西眼科医院

〒194-0032 東京都町田市本町田846-1
TEL 042-710-3456
※QRコードを読み取って当院のモバイルサイトを閲覧できます。
トップページ»  診療案内

診療案内

一般眼科

皆さまの目に関する病気やお悩み、ご不安等をお気軽にご相談いただける地域のかかりつけ医を心がけています。近視、遠視、乱視といった視力にまつわるお悩みから、目のかゆみ、充血、かすみ目、涙目、眼精疲労、ドライアイ、ものもらい、結膜炎、花粉症などのアレルギー等幅広い診療に対応し、ご年配の方から小さなお子様まで、どなたでも真摯に対応いたします。

 

眼精疲労

目を長時間酷使し続けることによって、目や全身にさまざまな症状が現れて、これらの症状が目や身体を休めても回復せずに常態化することを眼精疲労といいます。休めることで回復する一時的な疲れ目とは一般的に区別して考えられています。
具体的には目の痛みやかすみ、充血、まぶしさを感じるといった目の症状とともに、頭痛や肩こり、吐き気、倦怠感といった全身性の症状が慢性的に現れます。

原因は多岐に渡りますが、比較的多く見られる原因には、近視・遠視・乱視といった屈折異常、度数の合わないメガネやコンタクトレンズの使用、緑内障やドライアイといった目の病気など、見えづらい状態を放置して目に負担を与えているケースが挙げられます。また、高血圧や糖尿病といった病気や、精神的なストレス、生活環境なども原因として挙げられます。さらに、最近ではパソコンやスマートフォンの長時間使用が原因で発生するVDT(Visual Display Terminal)症候群と呼ばれる症状が眼精疲労を招くケースも増えてきています。

眼精疲労の治療

眼精疲労にはさまざまな原因が考えられ、その原因によって治療や対処の方法が異なります。したがって、治療は検査や問診を通して原因を特定することから始まり、やがて明らかになった原因が取り除かれるよう対処します。
例えば、いつの間にか視力が変化して、メガネやコンタクトレンズの度数が合わなくなっていることがあります。その状態に気づかず使い続けていたことが原因と判明したら、新しいメガネやコンタクトレンズの処方箋を作ることで対処します。あるいは何らかの病気が原因と判明したら、その病気を治療することで対処します。その際、目以外の病気が原因の場合には、適切な診療科を持つ他の病院をご紹介することもあります。

また、生活環境のような病気以外の原因に対しては改善を要する部分についてアドバイスしたり、原因の特定とは別に目の疲れを和らげたり緊張をほぐす点眼薬や内服薬を処方することなどによって、症状軽減の一助とする場合もあります。

眼精疲労の対策

眼精疲労になりやすい環境を遠ざけるセルフケアを普段から心がけることが、眼精疲労の予防や改善につながる可能性があります。
具体的には以下のような対策に効果が期待されます。

  1. 目を定期的に休ませる
    目をよく使う作業を行う際には、目の休憩時間を1時間ごとに10~15分程度設けましょう。休憩中はしばらく目を閉じたり、遠くの景色を眺めるなどしてのんびり過ごすと効果的です。また、パソコンやスマートフォンといった電子端末の使用を控える日を1週間に1日のペースで設けましょう。
  2. 目を乾燥から守る
    眼精疲労の原因にもなるドライアイを予防するため、目をよく使う作業中は意識的にまばたきの回数を増やし、できるだけ涙の分泌を促しましょう。また、空調の効いた環境下では加湿器を併用したり、風が目に直接当たらない位置に移動するなどして目や空気の乾燥を防ぎましょう。
  3. 目にやさしい環境を作る
    目をよく使う場所の照明を目の負担にならない明るさに調節しましょう。また、テレビやパソコンと目との距離を十分に確保し、画面をやや見下ろす程度の高さに設置することで、目にかかる負担を軽減することができます。
  4. 視力検査を定期的に受ける
    眼精疲労の原因にもなる矯正不足のメガネやコンタクトレンズを使い続けることのないよう、1年に1回のペースで度数が合っているかを眼科などで確認しましょう。
  5. ストレスをためこまない
    眼精疲労の原因にもなる精神的なストレスを解消するため、自分の好きなことを楽しんだり、入浴でリラックスするなどして、ストレスを逐次解消するようにしましょう。また、目をよく使う作業を行う際には、定期的に身体を軽く動かすだけでも精神的な緊張をほぐすことができます。
  6. 十分な睡眠をとる
    1日につき8時間前後を理想として睡眠をとることで、その日に生じた目や身体の疲労を翌日まで持ち越さないようにしましょう。
  7. 目をストレッチでほぐす
    まぶたを開いてはギュッと閉じたり、高速でまばたきを繰り返したり、首は動かさずに視線だけをゆっくりと上下左右に動かすことで、目やその周辺の血流を改善して疲労回復を促しましょう。
  8. 目を温める(温罨法)
    蒸しタオルなどを目の上にのせて温めることで、目やその周辺の血流を改善して疲労回復を促しましょう。ただし、花粉症をはじめとする何らかの炎症が発生している場合には、逆に症状を悪化させる可能性があるので、誤って温めないようご注意ください。
眼精疲労を食事で改善

基本的にはあらゆる栄養素をバランス良く摂取できる食事が健康にとっては何よりも大切です。眼精疲労に効果が期待できるといわれている栄養素もいくつか存在します。その代表的な栄養素ごとの作用や食材は以下の通りです。

  • ビタミンA
    目の粘膜や角膜、網膜の働きを正常に保つ作用があり、目のビタミンと称されることもある栄養素です。
    【多く含まれる食材】
    うなぎ、レバー、にんじん、ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃなど
  • ビタミンB群
    目から脳に情報を伝える視神経の働きを正常に保って視力の低下を防ぐビタミンB1とB12、目の充血などを改善するビタミンB2、目のピント調節を担う水晶体や毛様体筋のタンパク質吸収を助けるビタミンB6など、目の正常化にさまざまな効果が期待できる栄養素です。
    【多く含まれる食材】
    うなぎ、サバ、豚肉、レバー、納豆、チーズなど
  • ビタミンC
    目の毛細血管を丈夫にする作用がある栄養素です。
    【多く含まれる食材】
    イチゴ、レモン、キウイ、じゃがいも、さつまいも、ブロッコリーなど
  • DHA
    網膜の働きを正常に保って視力の低下を防ぐ作用があります。網膜に多く含まれている栄養素でもあります。
    【多く含まれる食材】
    マグロ、カツオ、ブリ、サバ、サンマ、イワシなどの青魚

こうした栄養素を含む食材をまんべんなく継続的に摂取するのが難しい場合は、手軽に栄養素だけを摂取できるサプリメントによって補うこともできます。
毎日の食事は健康の源でもあります。これを機にご自分の食生活を振り返って、足りない栄養素があれば積極的に摂取するよう心がけることもまた、眼精疲労の予防や改善につながる可能性があります。

ドライアイ

通常、目の表面は一定の厚さの涙で覆われることによって保護されています。しかし、何らかの原因で涙の分泌量が減少したり、涙の成分バランスが崩れて均等に行き渡らなくなると、目の表面が乾燥して傷つきやすくなることからさまざまな症状が発生します。この状態をドライアイといいます。
ドライアイでは目の痛みやかゆみ、充血、目やに、ゴロゴロとした異物感、まぶしさを感じるといった症状が慢性的に現れる他、目の表面に傷がついて視界がかすんだり、場合によっては角膜(黒目の部分)に傷がついて視力低下を招くこともあります。
ドライアイの代表的な原因には、パソコンやスマートフォンなどの長時間使用によるまばたきの回数減少、エアコンの使用などによる空気の乾燥、コンタクトレンズの長時間装用による目の表面の酸素不足、加齢による涙腺の分泌機能低下などが挙げられます。特にオフィスワーカーに多く見られることから、ドライアイは現代病とも称され、現在2,200万人とまで推定される潜在患者数は今後ますます増えることが予想されています。

ドライアイの治療

ドライアイの治療は通常、点眼薬の処方から始まります。症状が軽い段階では、ほとんどの場合、涙に近い成分で作られた人工涙液を点眼するだけで症状を緩和することができます。また、必要に応じて目の表面についた傷の修復を促すヒアルロン酸が含まれた点眼薬も処方されます。
一方、点眼薬による治療で効果が得られなかった場合には、涙点プラグと呼ばれる栓で涙点(涙の排出口)を塞いで、強制的に涙の排出量を抑え込むことによって、目の表面に涙が蓄えられるようにするという治療も行われることがあります。この涙点プラグはシリコン製のものが一般的ですが、症状の程度によっては1週間程度で自然に溶けてなくなる特殊なコラーゲン製のものが使われる場合もあります。

ドライアイの対策

ドライアイになりやすい環境を遠ざけるセルフケアを普段から心がけることが、ドライアイの予防や改善につながる可能性があります。
具体的には以下のような対策に効果が期待されます。

  1. 目を乾燥から守る
    パソコンやスマートフォンの使用中は意識的にまばたきの回数を増やし、できるだけ涙の分泌を促しましょう。また、空調の効いた環境下では加湿器を併用したり、風が目に直接当たらない位置に移動するなどして目や空気の乾燥を防ぎましょう。
  2. 目の酷使を控える
    パソコンやスマートフォンを長時間使用する場合は、定期的に目を休ませるための時間を設けましょう。また、パソコンなどの画面をやや見下ろす程度の高さに設置することで、目にかかる負担を軽減することができます。
  3. コンタクトレンズは正しい方法で
    コンタクトレンズの装用時間をメーカーの想定基準内に収めるとともに、帰宅後はメガネで代用するなどして、少しでも装用時間を減らしましょう。また、メーカーの推奨方法によるケアを徹底して、レンズを清潔に保ちましょう。
  4. 市販の目薬は成分に注目を
    市販の目薬の中には血管収縮剤や防腐剤と呼ばれる成分を含んでいるものがあります。これらの成分は効果こそ高いものの、頻繁に使用すると目に過剰な影響をもたらす可能性も持ち合わせています。市販の目薬をドライアイ対策として使用する場合には、血管収縮剤や防腐剤の含まれていない人工涙液タイプの目薬を選びましょう。

ものもらい

まぶたにできものが発生する病気として知られるものもらいは、医学的には麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)の2種類に大きく分けられます。まぶたには涙の蒸発を防ぐ脂を分泌するマイボーム腺や汗を分泌する腺など、いくつかの分泌腺が存在しています。麦粒腫はこうした分泌腺やまつ毛の根元などに細菌が感染することで、まぶたが赤く腫れあがって化膿するものもらいです。一方の霰粒腫は何らかの原因でマイボーム腺の出口が詰まることで、まぶたに慢性的な炎症を伴うしこりが作られるものもらいです。
麦粒腫の腫れには痛みやかゆみが生じますが、霰粒腫のしこりに痛みやかゆみが生じることはあまりなく、触ってもゴロゴロとした異物感を覚えるだけという場合がほとんどです。しかし、霰粒腫のしこりに急性の炎症が発生したり、細菌が感染すると、痛みやかゆみ、腫れ、化膿といった麦粒腫に似た症状が現れます。この状態を急性霰粒腫といい、放置するとしこりが広範囲に及ぶ可能性もあります。

ものもらいの治療

一般的にはものもらいとして一括りにされることの多い麦粒腫と霰粒腫ですが、それぞれに原因が異なるので、治療法も異なります。
細菌感染を原因とする麦粒腫は、抗菌薬を点眼しながら必要に応じて抗生物質や抗炎症薬を内服することで、通常は1週間程度で完治します。ただし、化膿がひどい場合には切開して膿を排出する治療が必要になることもあります。
細菌感染が原因ではない霰粒腫は、抗炎症薬や抗菌薬の点眼で炎症の悪化や細菌感染を防止しながら、しこりの吸収を促すために温湿布をまぶたの上にあてるなどして経過を見ます。一方、細菌感染を伴う急性霰粒腫の状態に進展している場合には、麦粒腫と同様の治療を行います。また、しこりが角膜を圧迫するほど大きくなった場合には、吸収を促すためにステロイド薬を注射したり、手術で取り除くこともあります。

結膜炎

まぶたの裏側からつながる白目の部分を覆っている半透明の薄い膜を結膜といいます。結膜炎はこの結膜に炎症が発生する病気で、目のかゆみ、充血、涙目、目やに、ゴロゴロとした異物感といった症状が現れます。
結膜に発生する炎症のほとんどは、細菌やウイルスへの感染、アレルギー反応が原因となって引き起こされます。このうち、ウイルス性の結膜炎ははやり目やプール熱といった別称があるほど他の人への感染力が強いことでも知られています。また、アレルギー性の結膜炎の代表格が、今や国民病とも称されるほどに患者数の増えた花粉症です。さらに、最近では不衛生なコンタクトレンズの装用を原因とするアレルギー性の結膜炎も多く見られるようになってきました。

結膜炎の治療

細菌性の結膜炎は、感染源の細菌に応じた抗菌薬の点眼によって通常1~2週間程度で完治します。
しかし、ウイルス性の結膜炎に対しては、感染源のウイルスに効果を持つ薬が存在しないので、抗炎症薬や抗菌薬の点眼で炎症の悪化や細菌感染を防止しながら、生活習慣の改善や休養によって自然治癒を促します。体内でのウイルス抗体生成が順調に進めば、通常3週間~1ヶ月程度で完治します。なお、ウイルス性の結膜炎は感染力が強いので、治療とともに他の人への感染を防止するためのさまざまな対策も必要になります。
アレルギー性結膜炎に対しては、かゆみの元になる物質を抑える抗アレルギー薬の点眼を中心に治療を進めますが、効果が十分に得られなかった場合にはステロイド薬の点眼を追加することもあります。また、アレルギーそのものに対して、当院では診断キットによって迅速にアレルゲン(アレルギーの原因物質)を特定することで、そのアレルゲン対策として生活環境・習慣を改善するためのアドバイスなども行っております。

小児眼科

当院では、お子様の目の診療も行っております。
子供の場合、視力の発達が最も進むのは8歳くらいまでといわれていて、大人になってからの視力のほとんどがこの時期に決まると言っても過言ではありません。この大切な時期に遠視や乱視などの屈折異常によって視力の発達を阻まれた場合、そのお子様の目は視力の矯正が難しくなる弱視の状態に陥ることがあります。しかし、まだ意思表示の難しい小さなお子様の場合、自分の目がよく見えていないとしても、それをまわりにうまく伝えることができません。
こうした懸念への対処として、当院では一般的に視力検査を行いやすくなる3歳になったら、小児眼科でお子様の目の発達状況を確認することをおすすめしております。また、その際に何らかの異常が見つかったとしても、その段階から適切な治療を開始すれば、再び視力の発達を促すことが可能です。
そのようなお子様のために、当院には目の検査や訓練に秀でた視能訓練士(ORT)の国家資格を持つスタッフがおります。視能訓練士は検査によって診療に必要なデータを正確に導き出し、カウンセリングを通して視力の訓練や矯正に関するプランを作成するなどして、さまざまな面からお子さまの目の治療をサポートしてまいります。
また、お子様の目の症状によって、さらに専門的な治療が必要と判断した場合には、地域の総合病院や大学病院をご紹介することで、連携した医療の提供に努めてまいります。お子様の目に関して気になることがございましたら、いつでもお気軽にご来院ください。

 

白内障

 

白内障とは

白内障は、目の中の水晶体という組織が白く濁ってくる病気です。
水晶体は直径1cmにも満たない大きさながら、目の中ではカメラにおけるレンズに相当する大切な役割を担っていて、眼球の前面近くに位置しています。この水晶体が何らかの原因で濁ることによって、視界がかすんで見えにくくなったり、視力が低下するといった症状が現れます。
通常、外から入ってきた光はレンズ役の水晶体を通り抜けて、眼底(眼球の奥)にあるフィルム役の網膜へと映し出されます。しかし水晶体が濁っていると、その濁りで光の一部が遮られたり、乱反射するなどして、光が水晶体を正常に通り抜けることができなくなります。それにより網膜まで届く光の量が減って、白内障による症状が生じるのです。

白内障の原因

水晶体は主に水分とタンパク質で作られていて、その外側を前嚢と後嚢からなる水晶体嚢(すいしょうたいのう)と呼ばれる袋で覆われています。白内障では、このうちのタンパク質がさまざまなストレスによって本来よりも大きな塊に変性することで、水晶体に濁りが発生します。
この濁りを発生させる原因によって、白内障は主に以下のように分類されています。

  • 加齢性白内障(老人性白内障)
    加齢が原因となって発症するもので、白内障の中でも7割以上を占める最も患者数の多い種類です。
    基本的に水晶体の濁りは加齢とともに誰にでも起きる一種の老化現象といわれていますが、程度には個人差があり、早ければ40代から症状を感じ始める人もいれば、高齢になってもほとんど症状を感じない人もいます。
  • 先天性白内障
    生まれつき水晶体に濁りがある新生児や乳幼児が発症する白内障です。特に妊娠初期の女性が風疹に感染することで起きるケースが知られています。成長とともに進行して青年期までに発症することもあり、その場合は発達性白内障とも呼ばれます。
  • 他の病気に併発する白内障
    ぶどう膜炎、緑内障、網膜剥離といった他の目の病気や、糖尿病、アトピー性皮膚炎といった全身性の病気に合併して白内障が発症する場合があります。特にアトピー性皮膚炎に併発する白内障は、若い世代にも多く見られることが知られています。
  • その他の白内障
    目に外傷を負ったり、過度の放射線を浴びたり、ステロイド薬を使用することなどによっても白内障が発症する場合があります。
白内障の症状

白内障は水晶体の濁りが進行するにつれて視力も低下していく病気ですが、その濁り方によって以下のような特徴的症状が現れることがあります。

  • 物がぼやけて見える
  • 物が二重三重に見える
  • 視界がかすんでいる
  • 視界が薄暗く感じる
  • 日差しや照明をまぶしく感じる
  • いくら調整してもメガネで視力が上がらない
白内障の治療

白内障の治療方法には薬物療法と手術療法の2種類があります。
まだ自覚症状がなく、日常生活に支障を感じる場面もほとんどない段階であれば、点眼薬の処方を中心とする薬物療法が行われます。ただし、薬物療法は白内障の進行を遅らせることはできても水晶体の濁りを消し去ることはできないので、いずれ完治させるためには手術が必要になります。そこで、薬物療法を続けながら定期的に進行の程度を確認し、やがて視力低下をはじめとする自覚症状が日常生活に支障を与えるようになったら、その時点で手術を検討するのが一般的です。
例えば、老眼鏡を使っても新聞の判読が難しくなったとか、メガネを使っても視力が矯正されず運転免許が更新できないとか、夜間の運転中に対向車のライトをやけにまぶしく感じるといったように、ご自分のしたいことやしなければならないことがしづらくなった時こそ、手術を受けるべきタイミングといえるでしょう。
ただし、他の病気を併発している場合など特別な事情をお持ちのケースでは、医師の判断によって通常よりも手術のタイミングを早めたり、遅らせる場合もあります。
白内障は放置すれば必ず進行する病気です。生活の質(QOL)を維持するためには、きちんと眼科を受診して、その時々に応じた適正な治療を受けることが大切です。

白内障の日帰り手術

当院では白内障の手術を日帰りにて行っております。手術の当日にご来院いただき、その日のうちにご帰宅いただける他、手術そのものも点眼麻酔によってほとんど痛みを感じることなく、通常10分程度で終了します。なお、その後の日常生活においては入浴などに一定の制限が設けられたり、感染症予防などのために1~3ヶ月程度薬の点眼を続けていただく必要があります。
白内障の手術は主に「超音波水晶体乳化吸引術」と「眼内レンズ挿入術」という2つの術式によって、濁った水晶体を人工の眼内レンズに置き換えるという方法で行われます。この術式での手術は眼科で扱う病気の中で最も進化した手術といわれるほど確立されており、日本だけでも年間約150万人もの方が受けています。
ただし、眼球という極めてデリケート部位に施す手術に対してご不安を抱かれる方も少なくありません。当院では事前に入念な説明を行わせていただいてはおりますが、もし手術に対してご心配やご不安に思われることなどありましたら、いつでも遠慮なくご相談ください。

後発白内障とは

白内障は手術で完治し、再発することもありませんが、手術の数ヶ月~数年後に白内障が再発したかのように視界が白くかすんで見えにくくなることがあります。これは、白内障手術で眼内レンズの土台として残した水晶体嚢の後嚢が白く濁ることで発生する後発白内障と呼ばれる症状で、厳密には白内障ではありません。
後発白内障の治療は、光の通り道を確保するためにレーザー光線を照射して後嚢に穴を開けるだけで完了します。点眼麻酔によって痛みを感じることはほとんどなく、数分程度で終了する上、通常はすぐに視力が元の状態へと回復します。
なお、こうした治療が必要になるほどの後発白内障にかかる割合は、白内障手術から5年経過後で全体の10~15%程度といわれています。比較的簡単に治るので過度の心配は不要ですが、白内障の手術後に見え方の異常を感じた際にはすみやかに眼科を受診してください。

眼内レンズについて

白内障の手術は、濁った水晶体を取り除いて、代わりに人工のレンズを挿入するという方法で行われます。この人工のレンズを眼内レンズといいます。
眼内レンズは柔軟性のあるシリコンやアクリルを素材として作られていて、直径6mm程度の大きさですが、手術では折りたたまれた状態で2~3mm程度の切開創から眼球内に挿入されます。
また、眼内レンズには大きく分けて単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2種類があり、どのレンズを選択するかによって手術後の見え方が変わるとともに、生活の質も大きく左右される可能性があります。したがって、白内障にかかる前の状態に近い見え方を実現するためには、いかにしてご自分の生活様式に適したレンズを選択しておけるかが重要になります。

  • 単焦点眼内レンズ
    ピントが1ヶ所だけに固定されているレンズで、近くだけにピントが合うタイプと遠くだけにピントが合うタイプのどちらかを選択します。どちらを選択しても、手術後にピントが合わない方の距離をくっきりと見るためにはメガネが必要になります。保険診療が適用されます。
  • 多焦点眼内レンズ
    近くと遠くのどちらにもピントが合うレンズです。単焦点眼内レンズに比べてピントの合う範囲が広いので、メガネが必要な場面は格段に少なくなります。ただし、保険診療の適用外となります。
白内障の日帰り手術の流れ

白内障の手術当日は、一例として以下のようなスケジュールで進みます。

  1. ご来院
    事前にお伝えした日時にご来院いただき、手術の手続き等をしていただきます。その際、ご不明の点などありましたら、お気軽にお尋ねください。
    なお、この日のうちにご帰宅となりますので、お車を運転されてのご来院はお避けいただきますようお願いいたします。
  2. 手術前の準備
    手術に向けて麻酔薬や抗生物質、瞳孔を開く散瞳薬などを点眼します。
    また、血圧の測定などいくつかの検査を行って、この日の全身状態を確認させていただきます。その際、体調不良の方は遠慮なくお申し出ください。
    体調に問題がなければ、手術室へと移動します。
  3. 手術の開始
    手術を開始します。手術は通常10分程度で終了し、その間痛みを感じることはほとんどありません。
    手術そのものの手順は以下の通りです。
    3-1. 黒目(角膜)と白目(結膜)の境目付近を小さく切開します。
    3-2. 切開した部分から水晶体嚢の前嚢を円形に切除して、水晶体を露出させます。
    3-3. 露出した水晶体を超音波で破砕した後、吸引して除去し、水晶体嚢の後嚢だけを残します。
    3-4. 後嚢の上に人工の眼内レンズを挿入して、手術が終了します。
  4. 手術後の休憩
    手術後、しばらくは回復室にて安静な状態で休んでいただきます。また、手術後のご注意や受診のスケジュール等をご説明しますので、ご不明な点などありましたら、お気軽にお尋ねください。
  5. ご帰宅
    安静に過ごした後、体調に問題がなければご帰宅いただけます。その際、体調不良の方は遠慮なくお申し出ください。なお、眼帯は翌日の受診時まで外さないようお願いいたします。
白内障の手術費用(片眼)

白内障の手術は保険適応です。費用はおおよその目安になります。

1割負担 約14,000円
3割負担 約45,000円

※費用は多少前後します。
※ご不明な点は受付窓口までお尋ねください。

 

眼瞼疾患

 

眼瞼痙攣とは

眼瞼痙攣(がんけんけいれん)とは、まぶたを閉じる役割を持つ眼輪筋(がんりんきん)が不随意に痙攣を起こして、まばたきがうまく制御できなくなったり、目を開けにくくなる病気です。
40代以上の中高年の方に発症することが多く、特に女性は男性の2.5倍も発症しやすい傾向にあるとされています。
眼輪筋は目のまわりを取り囲むように存在する筋肉で、その動きは顔面神経によって制御されています。この顔面神経を司る脳内の運動抑制システムに機能障害が発生することで痙攣が起きると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。そのため、根本的な治療法は確立されておらず、症状を抑えるための対症療法が治療の中心となっています。

眼瞼痙攣の症状

初期の段階ではまばたきが過度に多くなったり、まぶしさや目の乾きを感じるといった症状が現れます。こうした症状が似ているせいで、誤ってドライアイや眼精疲労と診断されるケースも珍しくありません。また、実際にドライアイは眼瞼痙攣に合併しやすい病気でもあります。
やがて症状が進行すると、目を開けているのが辛く感じ始めて、うまく目を開けていられなくなったり、自分の意思とは関係なく急に目をつぶってしまうこともある他、重症化すると全く目を開けられなくなることもあります。それにより歩行中に人や物にぶつかりやすくなったり、車の運転が難しくなるなどの支障が日常生活にもたらされることもあります。
通常、こうした症状は両目ともに現れますが、現れ方には若干の左右差が認められる場合があります。また、症状の進行は比較的緩やかですが、様子を見ていても治ることはありません。

片側顔面痙攣とは

片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)は、顔の片側の筋肉が自分の意志とは関係なく痙攣を起こす病気です。症状の一部が眼瞼痙攣と似ていますが、片側顔面痙攣は顔の左右どちらか片側だけに症状が現れます。
40代以上の中高年の方に発症することが多く、特に女性は男性の2~3倍も発症しやすい傾向にあるとされています。
初期の段階では片側の目のまわりがピクピクと痙攣するだけですが、その痙攣が精神的に緊張した時などを中心として頻繁に起きるようになり、痙攣している時間も徐々に長くなっていきます。やがて同じ側の額や頬、口のまわり、あごの下などにまで痙攣が広がり、四六時中続いたり、場合によっては睡眠中にさえ現れるようになります。
さらに、重症化すると顔がゆがんで引きつったような表情になったり、片目を開けていられなくなることが増えて、日常生活や対人関係にも大きな支障をきたすようになります。

ボトックス療法について

眼瞼痙攣や片側顔面痙攣の治療では、ボツリヌス療法が現在主流となっています。厚生労働省の認可を受けた施設や医師のもとでのみ受けることができる治療法で、認可を受けている当院でも保険診療として行うことができます。
ボツリヌス療法は、ボツリヌス菌の作り出す神経毒素を成分としたボトックス(製品名)という薬剤を緊張状態の筋肉に注射する治療法です。ボツリヌス菌は食中毒の原因になることでも知られていますが、ごく少量であれば、筋肉を緊張させて痙攣を引き起こしている神経の働きを抑える効果を持っています。そのため、ボトックスを注射することで筋肉の緊張が和らいで、痙攣を抑えることができるのです。
この注射による効果は通常2~3日後から現れ、その後2~4ヶ月程度持続します。高い確率で症状の改善が見られる治療法ですが、効果が消えかかるたびに繰り返し注射を受ける必要があるので、根治を目的とする治療にはあたりません。しかし、比較的副作用が少なく、1回の治療も短時間で済むため、普段通りの生活を送りながら続けやすいというメリットもあります。

眼瞼下垂とは

眼瞼下垂とは、上まぶたを引き上げる役割を持つ眼瞼挙筋が何らかの原因でうまく働かなくなることによって、両目または片目の上まぶたが上げにくくなったり、垂れ下がったままになる病気です。
眼瞼下垂の状態になると、垂れ下がった上まぶたが視界を遮って視野(見える範囲)が狭くなるので、無意識のうちに目を見開こうとして眉毛が上がったり、そのせいで額にしわが寄ったり、顎を上げて物を見ようとするなどの特徴的な症状が現れます。また、こうした症状による負担が頭痛や眼精疲労、肩こりなどを引き起こす原因にもなります。
さらに症状が悪化すると、目を開いたつもりでも上まぶたが瞳孔の中央より下の位置までしか上がらなくなり、見た目の印象の問題ばかりでなく、日常生活を送るにあたっての支障となる場合もあります。

眼瞼下垂の原因

眼瞼下垂には大きく分けて先天性と後天性の2種類があり、それぞれに原因が異なります。

  • 先天性眼瞼下垂
    上まぶたを引き上げる眼瞼挙筋の動きは動眼神経によって制御されています。先天性とは、この眼瞼挙筋の発育不全や動眼神経の発達異常が主な原因となって起きる生まれつきの眼瞼下垂です。
    特に小さなお子さまに眼瞼下垂が見られるケースでは、視力の発達が阻まれて弱視の状態を招く可能性があるので、すみやかな眼科受診が望まれます。
  • 後天性眼瞼下垂
    後天性とは、生来は正常に動いていた上まぶたが何らかの原因で垂れ下がって上がらなくなってしまった眼瞼下垂です。
    眼瞼挙筋は上まぶたの縁にある瞼板(けんばん)という軟骨状の組織とつながっていて、そのつなぎ目を挙筋腱膜が接合しています。後天性の多くは、この挙筋腱膜が少しずつゆるんでいき、瞼板が眼瞼挙筋の動きに連動できなくなることから起きるとされています。これを腱膜性眼瞼下垂といい、先天性のような筋肉や神経の異常が認められないという特徴があります。挙筋腱膜がゆるむ原因のほとんどは加齢ですが、花粉症やアトピー性皮膚炎などによる目のこすり過ぎ、コンタクトレンズの長期装用、目の外傷、白内障や緑内障などに対する目の手術などが原因になることもあります。
    また、加齢によって上まぶたの皮膚自体がたるんで眼瞼下垂の状態が生じたり、重症筋無力症や脳梗塞といった他の病気の影響で眼瞼下垂の状態が生じることもあります。
眼瞼下垂の手術

眼瞼下垂を治療するためには基本的に手術が必要で、原因や症状の程度などによって手術を行うかどうかや、行う場合の時期と方法が決められます。
最も多く見られる腱膜性眼瞼下垂に対しては、ゆるんだ挙筋腱膜を縫い縮めたり、瞼板に縫い付けることで元の張力を回復させる手術など、いくつかの方法があります。
また、加齢による上まぶたの皮膚のたるみによって眼瞼下垂と同じ状態が生じているケースに対しては、余った皮膚を切除して縫い合わせる手術を行います。
手術は局所麻酔によって始まり、通常のメスよりもメリットが多いことで知られる炭酸ガスレーザーを用いて進められます。炭酸ガスレーザーによる手術は出血や皮膚への負担が少ないので、手術後に生じる痛みや腫れが軽減されるとともに回復も比較的早いのが特徴です。手術は片目の場合、通常15~20分程度で終了します。

眼瞼内反症(さかさまつ毛)とは

本来外向きに生えるはずのまつ毛が内向きに生えた状態を、さかさまつ毛といいます。眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)とは、このさかさまつ毛の形態の一つで、まぶたの縁が内側(眼球側)に向かってめくれ返ることで、そこに生えているまつ毛も内側を向いてしまう病気です。
特に高齢の方に多く見られる他、上まぶたよりも下まぶたに発生しやすい傾向があります。
眼瞼内反症をはじめとするさかさまつ毛では、内向きになったまつ毛が常時目の表面に当たった状態になるので、角膜(黒目の部分)に傷がついたり、まつ毛による過剰な刺激に涙腺が反応して涙目が生じたり、まばたきが過度に多くなる他、目の痛み、充血、目やに、ゴロゴロとした異物感、まぶしさを感じるといったさまざまな症状が現れます。さらに、放置すると角膜についた傷が深くなって、視力が低下する場合もあります。

眼瞼内反症の原因

眼瞼内反症では、まつ毛の生え方自体に問題があるわけではないのに、そのまつ毛が生えているまぶたが内向きに変形することで、まつ毛も内向きになります。
このまぶたが変形する原因は、先天性と後天性の2種類に大きく分けられます。
先天性の場合、生まれつきまぶたの皮膚に厚みやたるみがあったり、まぶたの皮下脂肪が過度に多いことなどによって変形が生じます。
一方の後天性の場合、加齢にともなってまぶたの皮膚がたるんだり、まぶたにある筋肉が衰えて張りを失うことなどによって変形が生じる老人性のものが最も多く見られます。またその他に、年齢にかかわらず病気などの影響で変形が生じる場合もあります。

眼瞼内反症の治療

乳幼児に発生する先天性は、多くの場合、成長にともなう顔の変化によってまぶたも本来の向きに戻ります。しかし、成長を待てないほど症状が強かったり、成長してもまぶたが戻らないような場合には、手術による治療も検討されます。
一方の老人性の場合、内向きのまつ毛だけを引き抜いたり、内向きのまぶたを引っ張ってテープでとめるなどして当面の対処とすることもありますが、基本的に根治するためには手術が必要になります。
眼瞼内反症の手術の代表的な方法には埋没法と切開法があり、症状の程度や上下どちらのまぶたに対して行うのかといったケースごとの条件に応じて適した方法が選ばれます。
美容整形の手術としても用いられる埋没法は、まぶたの皮膚に極小の穴を開けて糸を埋め込み、その糸の張りで皮膚をくぼませることによってまぶたを外向きにする方法です。上まぶたにのみ適応可能です。手術後の回復は比較的早いのですが、切開法に比べて元の状態に戻りやすいというデメリットがあります。
一方の切開法は、まぶたの皮膚を切開して余剰な眼輪筋を切除したり、挙筋腱膜を縫い縮めるなどした後に、切開した部分をまぶたが外向きになるように強く縫い合わせる方法です。上下どちらのまぶたにも適応可能です。埋没法に比べて手術後の回復に時間がかかりますが、元の状態に戻りにくいというメリットがあります。
こうした手術は局所麻酔によって行われ、通常20~30分程度で終了します。

 

網膜疾患

 

飛蚊症

視界に黒い虫や糸くず、薄い雲のようなものが動いて見える症状を飛蚊症と言います。視線を動かしても、この影はついて回り、その名の通り蚊が飛んでいるような状態です。若い年代層でも症状が出ている方もいます。
飛蚊症の原因は、生理的なものと病的なものがあります。生理的な原因では、眼の中は、硝子体とゼリー状の組織で満たされており、硝子体が年をとるにつれて、徐々に濁りだし、その影が網膜に映し出され、飛蚊症の症状が現れます。
病的な原因では、主に網膜剥離や網膜裂孔などの前兆として発症し、これらの病気は失明する可能性もあるため、適切な治療を受ける必要があります。
飛蚊症は、ほとんどの場合、加齢に伴う生理的なものであるため、心配する必要はありませんが、眼科疾患の起因することもありますので、症状を自覚したら、1度検査を受けることをおすすめします。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、その名の通り糖尿病に付随する眼疾患の一つで、糖尿病腎症・神経症とともに3大合併症のひとつでもあります。国内では成人における中途失明原因の第一位という軽視できない病気です。
網膜はカメラで例えるとフィルムの役割を担う部分で、ものを見るうえで重要な組織です。糖尿病の影響で、血液中の糖分が高くなると、血管で障害が起こります。網膜の血管は細いため、血管がつまったり、出血を起こしやすくなります。初期段階では、自覚症状がないため、気づきにくいですが、放置してしまうと網膜剥離を起こす可能性があり、失明に至るケースもあります。
そのため、糖尿病の患者様は定期的に検査を受けることをお勧めします。
なお、糖尿病網膜症は段階により以下の3つに分類されます。

  • 単純糖尿病網膜症
    糖尿病網膜症の初期段階です。網膜の毛細血管で毛細血管瘤というコブができたり、小さな出血(点状出血)を起こします。血液に含まれたタンパク質や脂肪が漏れ出して、網膜にシミを形成(硬性白斑)することもあります。この段階では自覚症状がほとんどありません。
    検査などで症状が見つかった方は、治療として血糖値のコントロールを行い、進行を防ぐように努めます。
  • 増殖前糖尿病網膜症
    糖尿病網膜症の中期段階です。血管が閉塞し、網膜に十分な酸素や栄養分が行き渡らなくなり、虚血状態になります。この段階になると、かすみ目などの症状を自覚する方も多いですが、全く自覚症状がない方もいます。治療方法としては、血糖値のコントロールと合わせて、レーザー光凝固術や硝子体注射で進行を抑えます。
  • 増殖糖尿病網膜症
    糖尿病網膜症が重症化した段階です。虚血した網膜に酸素を供給するため、新生血管という脆くて、破れやすい血管ができて、増殖し始めます。新生血管は硝子体内で増殖することもあり、出血を起こすと(硝子体出血)、飛蚊症の症状が現れます。増殖膜という線維性の膜ができ、これが網膜を引っ張って網膜剥離を引き起こすこともあります(牽引性網膜剥離)。ここまで症状が進むと手術が必要です。
  • 糖尿病黄斑浮腫
    糖尿病黄斑浮腫は糖尿病網膜症による合併症の1つで、黄斑にむくみ(浮腫)が生じる病気です。網膜症の病期に関係なく発症する可能性があるため、黄斑浮腫が発生すると初期段階でも視力障害が起こります。網膜の中には、黄斑という視力に関する重要な役を担う組織です。黄斑浮腫は、網膜の血管から漏れた血液成分により、黄斑部がむくんでしまい、症状が進行するにつれ、視力が低下したり、ものが歪んで見えたりします。治療方法としては、硝子体注射を行います。

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性とは、網膜の中にある黄斑(おうはん)と呼ばれる組織が、加齢に伴い機能障害が起こり、視力の低下を引き起こす病気です。黄斑は、物の大きさや形、色、距離感、立体感などの情報を識別しており、物を見るうえでとても重要な働きをしています。黄斑の中心には、中心窩(ちゅうしんか)と呼ばれる視細胞が最も集中している部分があり、ここで異常が起こるとさらに視力低下が深刻化します。
加齢黄斑変性になると、

  • 視力の低下
  • ものが歪んで見える(変視症)
  • 物の中心部が暗くなって見える(中心暗点)
  • 色が識別できなくなる(色覚異常)

などの症状が現れます。加齢黄斑変性は、症状が片側の眼から出ることが多く、初期段階では気づきにくい病気です。放置し続けると、失明に繋がります。欧米では失明原因疾患の第1位となっており、日本国内でも第4位に位置しています。

種類

加齢黄斑変性は、委縮型と滲出型の2種類があります。

  • 委縮型
    網膜の細胞が加齢に伴い変性し、網膜色素上皮が委縮することで視力が低下します。症状は徐々に進行していきます。また放置してしまうと、下記の滲出型に移行することもあるので、定期的に検査が必要です。
  • 滲出型
    脈絡膜から新生血管という血管が生じ、黄斑に障害を与えます。この新生血管は、脆く破れやすいため、出血を起こしたり、血液中の成分が漏れ出し、溜まってしまうことで、視覚障害が引き起こされます。委縮型に比べて、視覚障害の進行が早く、早期に治療を行う必要があります。

網膜静脈閉塞症

網膜静脈閉塞症は、網膜の血管(静脈)が詰まってしまうことで、網膜がむくんだり、出血を起こし、ものが見えにくくなる病気です。加齢に伴い発症しやすくなりますが、高血圧の方や慢性腎臓病をお持ちの方も、発症リスクが高い傾向にあります。静脈の詰まった位置により、網膜中心静脈閉塞症と網膜静脈分枝閉塞症に分類されます。
視神経の中には、網膜中心動脈と網膜中心静脈という血管が走っており、視神経乳頭という部分で4本に枝分かれしています。これらの血管が交差する部分で、動脈硬化が起こってしまうと、静脈が動脈に圧迫され、静脈内の血流が滞ってしまいます。その影響で血液が固まり、血栓が生成され、静脈を塞いでしまいます。
閉塞した静脈内で、血液がうっ血し、圧力が高まると、網膜へ血液や水分が漏れてしまい、眼底出血や網膜浮腫を引き起こします。これらの症状が、黄斑部にまで及ぶ(黄斑浮腫)と、視力低下やものが歪んで見えるようになってきます。

硝子体注射

当院では、加齢黄斑変性や、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対して、硝子体注射を行っております。これらの病気では、新生血管の原因となる血管内皮増殖因子(VEGF)が多く存在しています。
硝子体注射は、このVEGFを抑制するために抗VEGF薬を注入し、新生血管の成長を抑え、症状を改善させる治療です。抗VEGF薬にはルセンティス、アイリーアなどの薬があります。
硝子体注射を受ける場合、1度の注射で症状は改善することもありますが、改善と増悪を繰り返すケースがほとんどのため、1ヶ月~数ヶ月に定期的に注射を行う必要があります。